アグリスタット3300S
■ 検査目的
- 血小板の機能評価
- 抗血小板剤のモニタリング
- 先天性血小板機能異常症の評価
- ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の検出 ・抗血小板剤など薬の研究
- 開発・治験
- 血小板形態試験
- 低浸透圧ショック回復試験(%HSR)
- 教育実習用
■ 特徴とご案内
- 解析ソフト
(1) グレーディングカーブ(PATI)
(2) 9分類 2 濃度解析法(正常・薬効クラス判定) - メディカル用ソフトと研究用ソフトを選択できます。
- 検体量を 200μL と 100μL から選択できます。
- 4 チャンネル専用コンパクトボディながらオールインワン設計。
- 購入時にインクジェットプリンターとサーマルプリンター(ロール紙:モノクロ)の選択可。
- 自己診断機能
(1) ステータス
(2) 測定ステータス
(3) 装置精度管理用 「標準色素」 - オプションソフトも充実
(1) 血小板形態試験(ストップ&フロー)
(2) 低浸透圧ショック回復試験(%HSR) - 診療報酬について
- レンタルシステム
- アフターサービス及びユーザーサポート
1. 分析ソフト
(1)グレーディング カーブ・(PATI)
(2) 9 分類 2 濃度解析法
2. メディカル用ソフトと研究用ソフトを選択できます。
(1) メディカル用ソフト画面
(2) 研究用ソフト画面
3. 検体量を 200μL と 100μL から選択できます。
ご購入時にどちらかの仕様をご選択頂けます。装置価格は同一価格です。
(1) 200μL 仕様 : 標準的な検体量で、臨床から研究に使用されています。
(2) 100μL 仕様 : 小動物等の採血量が多く採取できない場合に使用できます。
4. 4 チャンネル専用コンパクトボディながらオールインワン設計。
コンパクトボディながら、オールインワン設計。設置面積が B4 サイズ(25.7cm×36.4cm)で可能です。
① 予備加温槽 (PPP 2 穴/PRP 4 穴)
検体を予め加温しておく加温槽です。
② 試薬冷却槽 (8 穴)
調整した惹起物質を冷却槽に収納することで、測定の度に冷蔵庫から試薬を出し入れ
する煩わしさを解消します。
③ 採血管等保管場所 (4 穴)
採血管や採取した PPP、PRP を置ける場所を搭載したので、ラック等は必要ありません。
5. 購入時にインクジェットプリンターとサーマルプリンター(ロール紙:モノクロ)の選択可。
標準付属はインクジェットプリンターですが、サーマルプリンター(ロール紙:モノクロ)を選択することが可能です。
6. 自己診断機能
(1) ステータス
光量調整時の装置の状態をモニターし保存します。必要であれば読出し、印刷も可能です。
① 光量値 : 受光部電圧が規定値 500±20 を表示。
② 光量係数 : 受光電圧を規定電圧に調整するための係数。
③ 測定部温度 : 測定部が常に 37.0℃±0.5℃になるようサーモスタットで調整します。
④ 撹拌モーター回転数 : 回転数は 1000rpm±20rpm でコントロールされます。長寿命でメンテナンスフリーの高性能なモーターを採用。
(2) 測定ステータス 測定ステータスは、測定開始時の装置の動作状態を測定・チャンネルごとに保存することができ、 測定結果の信頼性を高めます。
標準色素は、各チャンネルが正常に機能しているかを確認するための色素です。使用方法は、疑似的なPRP・惹起物質を実検体測定と同じ要領で測定します。各チャンネルに異常がなければ、ほぼ同じ凝集グラフ、最大凝集率等になります。実検体測定後に「いつもと違う凝集グラフに見えるけど?」という場合等に、標準色素で測定した結果が各チャンネル同じ凝集グラフになれば、装置には異常がないという判断が出来ます。
7. オプションソフトも充実
(1) 血小板形態試験(ストップ&フロー)
<概要>
- 血小板の状態が悪くなるとその形状が変化するため光の透過が悪くなる点に着目し、PRP を用いて光透過法の装置が応用できることが判りました -文献 1
- アグリスタット 3300S の回転と温度を制御する事により、光透過から血小板の形態を定量化し血小板活性を知ることができます。
- 専用ソフトでアグリスタット 3300S の回転数と測定部の温度を制御する事で血小板の活性状態(形態)を定量化します。
<原理>
- 血小板は通常、生体内において薄い円盤状(ディスコイド型)の状態で循環していますが環境の変化に対して敏感な血小板は球状(スフィヤ型)に変化しやすい。
- 円盤状と球状の血小板細胞の光学的性質は静止時と流動化では差があり円盤状(ディスコイド)は静止時はより透過度が増加します。
文献:Shiro Ohnoki and Hirotoshi Shibata : EVALUATION OF PLATELET SHAPE BY A STOP AND FLOW METHOD USING AGGREGOMETER, JJTM, Vol 43, 350-355, 1997
(2)低浸透圧ショック回復試験(%HSR)
<概要>
・ アグリスタット 3300S でも低浸透圧ショック回復率(%HSR)の測定が可能です。
従来%HSR法では膨張した血小板が回復力で収縮する差を分光光度計による吸光法(610nm)で測定していました。この代わりにPRP(光透過法)法のソフトを改良する事により、開発された%HSR血小板形態定量システムです。
<原理>
・ 血小板の回復機能測定(%HSR 法)-文献 2
・ 低浸透圧ショック回復率(Percent Hypotonic Shock Response : %HSR)は、PRP(血小板血漿)サンプルに PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を加えた吸光度変化と、精製水を加えた時の吸光度変化の差から算出します。
・ 血小板は精製水などを加えた低浸透圧状態になると、細胞内に水が流れ込み一旦体積が膨張します。その後、回復能力により収縮しますが、この回復には収縮タンパクやエネルギーが必要です。膨張-収縮の変化率は血小板の回復機能に相関するので血小板輸血後の有効な指標とされます。
文献 2:COMPARISON OF PLATELET QUALITY IN WASHED PLATELET CONCENTRATES PREPARED WITH DIFFERENT SYNTHETIC STORAGE SOLUTIONS, JJTM, Vol 47, 777-782, 2001
8. 診療報酬について
令和 6 年診療報酬点数表の血小板凝集能の項目に新たな診療報酬が加えられました。
以下は点数表からの抜粋した内容です。
【D006 出血・凝固検査】
・34 血小板凝集能
イ 鑑別診断の補助に用いるもの 450 点
ロ その他 50 点
通知
(9) 血小板機能
ア 「34」の「イ」鑑別診断の補助に用いるものについては、先天性血小板機能低下症が疑われる患者に対し、当該疾患の鑑別診断の補助を目的として、3 種類以上の試薬を用いて血小板凝集能を測定した場合に、原則として患者 1 人につき 1 回限り算定する。ただし、2 回以上算定する場合は、その医学的必要性について診療報酬明細書の概要欄に記載すること。
9. レンタルシステム
治験など一定期間のみご使用になる場合は、短期間のレンタルも受け付けております。
1 ヶ月単位でのレンタルとなります。
(1) レンタルの場合は、試薬、消耗品は別途ご購入ください。
(2) 長期間のレンタルの場合は、契約書を締結させて頂きます。
(3) ご連絡は弊社のインフォメーションへお問い合わせください。info@t-taiyo.com
10. アフターサービス及びユーザーサポート
(1) 定期点検について
アグリスタット 3300S はクラスⅠの特定保守管理医療機器であるため、年 1 回の定期点検が必要になります。
ご用命を頂ければ、①設置場所で行う点検、②弊社社内にて行う点検等をご相談の上決めさせて頂きます。
(2) オンライン
電子カルテ等とアグリスタット 3300S をオンラインで結ぶ場合、ホストコンピューターと接続するためのプロトコルをご用意しています。また、オンラインのテスト時の立ち合いにつきましては無償にて対応させて頂きます。