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全血血小板凝集能測定装置 WBA-CARNA

PRP313M 血小板凝集能測定装置
  • 全血のため生体内により近い状態での測定が可能
  • 採血量の少量化 0.4ml〜0.8ml
  • 検体分離手技の軽減化(遠心分離の必要なし)
  • PATI CUTOFF判定で抗血小板薬の血小板反応性を簡単にスクリーニング可能

開発技術レポート

全血血小板測定装置 <SFP変法> の新たな展開

 血小板凝集能検査で、現在一般的に使用されている透過光法(PRP法)の装置は、血小板の凝集過程(反応曲線)が詳細に記録できる反面、採血から測定までに時間を要する点や、遠心分離によって得られる血小板の回収率による誤差、生体内とは別の状態、つまり赤血球や白血球など他の血液細胞成分の存在下で血小板の凝集機能が測定できない、などの課題があります。
SSRエンジニアリング(株)にて製造された、初代の全血血小板測定装置【WBA アナライザー】は、透過光方式装置の欠点を克服する目的で開発された装置でした。これは、マイクロメッシュ法(SFP変法)と言う、全血検体をマイクロメッシュフィルター通して吸引し、一定以上の数と大きさを有した血小板凝集塊群をフィルターに目詰まりさせて行き、その目詰まりにより上昇する吸引圧力を測定することにより、血小板凝集能を解析、評価する方式です(後に詳しく記載)。
しかし、この初期に開発製造された装置【WBA アナライザー】では、一本のマイクロメッシュフィルターで異なる濃度試薬を添加した検体に対し、順次データを取得する方式(後に詳しく記載)を採用したことや、試薬を添加してから各濃度を測定するまでの反応時間が、チャンネル毎に異なるなどの理由でデータの信頼性が低く(後に詳しく記載)、透過光法方式の装置を性能的に上回るには至っていませんでした。
しかし、新に開発した【WBA カルナ】は、独立した4チャンネルの測定系を搭載することにより、全血血小板凝集能測定において透過法に迫る再現性、柔軟性を実現することに成功したので、ここに報告します。

特徴とご案内

  1. まえがき
  2. 4チャンネル独立吸引測定
  3. 4チャンネル同時吸引測定
  4. 柔軟な試薬設定
  5. 測定時の吸引圧力推移データ
  6. まとめ
1.まえがき

 血小板凝集能検査は、血小板機能異常症の診断や抗血小板薬のモニタリングとして、広く用いられています。
現在主流である透過光法(PRP法)での測定は、患者から採血した血液検体を遠心分離し、多血小板血漿(PRP)と乏血小板血漿(PPP)に調整して測定する方式です。この方法は、血小板凝集能検査では以前から実施され確立された検査方法で、凝集過程が詳細に記録できるという利点があります。しかしその反面、検査に手間がかかることや、遠心分離方法の誤差でデータに差異が生じること、乳び検体や溶血検体の判定等の課題があります。
これらの問題を改善すべく、SSRエンジニアリング(株)製の【WBA アナライザー】は、マイクロメッシュ法(SFP変法)を採用し、全血検体での測定に対応し開発製造された装置です。【WBA アナライザー】は、異なる濃度試薬(通常4チャンネル)を添加した検体を、1つのフィルターで順次吸引していく蓄積方式である為、2チャンネル以降の測定データは前チャンネルの吸引凝集塊を含んだ加算データであることや、反応時間経過後、1チャンネル目より順番に吸引する為、全チャンネルの反応時間が一定にならないなどの要因で、データの安定・信頼性に欠けるため、透過光法に劣っている状況でした。
今回報告します【WBA カルナ】(図1)は、前装置【WBA アナライザー】の欠点を補うべく開発された装置であり、独立した4チャンネルの測定系を搭載することにより、全チャンネルで検体毎に個別マイクロメッシュでの同時吸引測定を実現し、データの安定・信頼性に於いて、透過光法に迫る信頼性・再現性を可能にしました。


図1 IMI血小板凝集能測定装置全血測定【WBAカルナ】
2.4チャンネル独立吸引測定

 マイクロメッシュ法(SFP変法)は、定量した全血検体に凝集惹起物質を添加し、一定時間撹拌し試薬反応させた後、マイクロメッシュフィルタ(図2:20×20umまたは、30×30um)を通して吸引します。このとき、一定以上の数と大きさを有した血小板凝集塊群は、マイクロメッシュフィルターを目詰まりさせて行き(図3)、目詰まりの度合により吸引圧力が高く上昇します。この吸引圧力を測定することにより、血小板凝集能を解析、評価する方式です。

 
図2 マイクロメッシュフィルタ   図3 凝集塊が目詰まりした様子

 SSR社製【WBA アナライザー】では、同一検体の各チャンネルに4種類の濃度の試薬を添加し、5分間攪拌反応させた後、試薬濃度の薄いチャンネル(1CH)から、同一(1本)のマイクロメッシュで吸引測定を開始し、試薬濃度の濃いチャンネル(4CH)の吸引で測定を終了します(図4)。
この方式の欠点は、マイクロメッシュに低濃度検体の血小板凝集塊を付着させたまま、次のチャンネルの検体を吸引測定することであり、そのチャンネルの凝集率のみを測定している訳ではなく、前段のチャンネル凝集を含めた凝集率になることです。


図4 WBAアナライザー 測定方法

 血小板凝集能測定では、不可逆的凝集が出現する試薬濃度を特定することが重要になりますが、凝集塊蓄積型であるこの方式で測定した各チャンネルの凝集率は、前チャンネル測定での凝集率偏差をも蓄積してしまい、データの再現性に影響してしまいます(図5)。
また、光透過法で測定したデータと比較しても、良好な相関データは取得できませんでした(図6)。
【WBAカルナ】では、センサーとなるマイクロメッシュフィルターを各チャンネルに配し、全てのチャンネルが同時に同一条件で測定できる方式にしました(図7)。全てのチャンネルを、同条件で測定することは、光透過法で測定方式と同じであり、これにより光透過法測定と【WBAカルナ】のPATI値は十分に相関が取れる結果となりました(図8)。

図5 蓄積方式の凝集率データイメージ  相関係数 0.698 回帰直線 傾き  0.642 y切片 0.502
図6 WBAアナライザー PATI相関
   
図7 WBAカルナ 測定方法 相関係数 0.815 回帰直線 傾き  0.600 y切片 0.402
図8 WBAカルナ PATI相関
3.4チャンネル同時吸引測定

 【WBAアナライザー】のもう一つの欠点は、1チャンネルづつ順次吸引し測定を行う為、試薬を添加してから吸引までの時間が、チャンネル毎に違うことです。反応時間を5分に設定した場合、1CHの反応時間は5分、2CHの反応時間は5分20秒、3CHは5分40秒、4CHは6分となり最大で1分の時間差が生じる事になります。健常人の検体は、5分以上反応させてもそれ程変化しないため問題にならない事が多いのですが、例えば抗血小板薬などを投与されている患者の検体は、5分間の反応時間が過ぎても凝集塊が解離すること(図9)があり、時間差でデータが変化するため、問題となります。
【WBAカルナ】は、全チャンネルを同時に吸引する方式を採用した為、抗血小板薬モニター用に使用しても、信頼できるデータが得られるようになりました。また、全血検体の血小板凝集でも、PRP法と同様に凝集塊の解離が起こっていることは、予想していましたが、従来はそれを証明する手段がありませんでした。
我々は、【WBAカルナ】を開発し使用することにより、同一検体で同一試薬濃度の反応時間差測定を行うことが可能になり、解離を証明(図9)出来るようになりました。

 
図8 凝集塊が解離する検体(光透過法) 図9 WBAカルナ反応時間差(手動)測定
4.柔軟な試薬設定

 【WBAアナライザー】は、凝集塊蓄積方式を採用したことによる制限により、試薬設定が2倍差展開(ex. 0.5μM、1.0μM、2.0μM、4.0μM)しか認められません。2倍差展開以外でも測定自体は可能ですが、2倍差展開用に装置がチューニングされている関係上、測定されたPATI濃度(算出閾値濃度)やグレードタイプ判定の信頼性はありません。
しかし【WBAカルナ】は、4チャンネルを独立測定するので、例えば4倍差の濃度設定(ex. 0.25μM、1.0μM、4.0μM、16.0μM)でも、正しくPATI濃度を測定し計算することが可能です。
【WBAカルナ】は、4チャンネル全て同一濃度で測定する事も可能です(図10)。同一濃度4ch測定機能は、製薬メーカー等で使用され、同一検体に異なる抗血小板薬を反応させておき、4チャンネル全て同一濃度の惹起物質を使用して凝集能を測定する方法で、測定された凝集率より抗血小板薬の効果を確認することができます。
また、チャンネル毎に別種類の試薬を設定添加(ex. 1ch coll , 2ch coll, 3ch ADP, 4ch ADP)することも可能であり、これは、健康診断等のスクリーニング検査で使用されています(図11)。

 
図10 同一濃度試薬測定例 図11 チャンネル毎別種類試薬測定例
5.測定時の吸引圧力推移データ

 【WBA アナライザー】の圧力表示は、通常の測定結果の棒グラフ表示のみなので、予想外のデーターが出た場合に、何処の何が原因しているのかを特定する方法がありませんでした。
【WBAカルナ】では、吸引時の圧力推移データを表示し(図12)、圧力起伏ポイントや凝集塊のメッシュ抜け現象などを観測することにより、特異検体や試技のミスを特定することが可能になりました。 これは製品のコンセプトとして、データ補正は行わずに、できるだけ測定情報を操作者に公開し、総合的に結果判定ができる装置の開発を、目指した結果であると言えます。


図12 吸引圧力推移データ表示

6.まとめ

 血小板凝集能検査は、その必要性は認めれれていますが、測定手順の複雑さから人手不足の施設では敬遠される傾向にあります。さらに、保険点数も低いので利益が得られず、実施したくない検査であると言われています。
しかし最近、新たな抗血小板薬の開発と、新たな抗血小板薬治療法が、循環器系の学会等で発表され、血小板機能を測定する検査の必要性が見直されつつあります。
【WBAカルナ】は、前機【WBA アナライザー】の問題点を解決し、光透過法測定に匹敵するデーターの信頼性を実現しました。さらに、全血測定でのメリット、すなわち「少量採血で測定可能」「遠心分離不要」が、本当の意味で生かせる装置となりました。
また現在、全血による血小板凝集能検査の「短時間(約25分)で報告」が出来る事が判り、これらの文献発表がされました。
そして将来的には、装置の小型化や簡単測定(POC)検査への展開を計り、血小板凝集能検査をより簡便にする、開発努力をしていく所存です。

解析ソフト:グレーディングカーブ・PATI(Platelet Aggregatory Threshold Index)

グレーディングカーブとグレード判定

4濃度の惹起物質で測定し得られた棒グラフの頂点を各チャンネルで結んだのが赤いラインであり、グレードの判定は圧力40%で交差した点が-2から3までのグレードゾーンでどこかに位置しているのかにより判定されます。

PATI(Platelet Aggregatory Threshold Index)

二次凝集(不可逆的凝集)を得る惹起物質の際低必要濃度のことを意味しています。
これはグレーディングカーブと圧力値40%のラインが交差している点をPATI濃度として算出します。

グレードタイプ判定


グレードタイプ判定を行うことにより、循環器疾患の心筋梗塞・狭心症・グラフと閉塞・ステント術、脳血管障害の脳梗塞・動脈瘤コイル術・閉塞性動脈硬化・脳卒中などの防止、及び術前術後乖離に投与される様々な抗血小板薬のコントロールと管理の判断を簡単に行うことができます。
(※)グレードタイプ判定はあくまで医師の判断をサポートするためのものであり最終的な投薬量の判定は診断する医師の総合的な判断が必要となりますのでご了承下さい。

カルナ測定結果

NEW PATI CUTOFF判定

抗血小板薬の血小板反応性には大きな個体差があるとされています。
抗血小板薬によって試薬を選択し(最大4チャンネル)、その測定結果があらかじめ設定するカットオフラインを越えるかどうかのスクリーニングを簡単に行うことができます。

測定例

上記モデルでは左右とも試薬は1チャンネルADP10uM、2チャンネル・コラーゲン10ug/ml、3チャンネル・アラキドン酸10mM、4チャンネル・エピネフリン10ug/ml、。
左側の報告例では各試薬とも設定濃度で凝集率40%を越えたので警告を示す赤棒が立った。
PATIは1チャンネルからすべて10以上と読む。
右側の報告例では各試薬とも設定濃度で凝集率40%を越えなかったので青棒となった。
PATIは1チャンネルからすべて10以下と読む。
このように簡便なスクリーニングが行えます。

仕 様

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